「じゃ、三枝さんのこと大切にしてやれよ?お前の彼女になったんだから」 “大切にしてやれよ”……か。 「……あぁ。あのさ、類」 「ん?」 「ちょっと頼まれてくれねぇ?」 俺の言葉に、類はニヤリと笑った。 「おー任せとけ♪」 「あぁ、頼んだ」 教室がある階の廊下を歩き出した途端に 女達に囲まれ、その話は終わった。 でも、俺の心はいつものように 不機嫌でもひねくれてもいなくて。 ただただ晴れやかだった。