「あーこれは来たんじゃない?」



「え?なにが?」



「青葉」



―――へっ。



そういえば、そうだ。
自分のことばっかり考えてて忘れてた。



青葉が来ると少なからず
女の子達が騒ぐんだった。



だけど……今日はいつもよりすごくない?



なんで?




女の子達の声が近づいてきて、
あたしの教室の前で止まった。




―――え。




「うそ。ありえない……」




隣で唯が口をあんぐり開けている。



あたしも、びっくり。だって……。




「あの無愛想な青葉が、笑ってる……」