―――え?




「でも可愛いんだろ、その子」



「みんなの前じゃ強気なのに、俺の前じゃわかりやすいくらい女の子なんだよ。女の子に囲まれてるの見たことあるけど、泣いてなかったし」



「ふーん。それ、お前好みじゃん」



「あぁ。いじめられてる女見ると、ゾクゾクしねぇ?」




ぷつりと身体の中で何かが切れた。



そこまで聞いた俺は、もう我慢の限界だった。



三枝は椎木のことが好きで、きっとあいつのことを信じてる。優しいやつだって。



でも俺が疑ってた通り、
こいつは偽王子だったんだ。