無愛想な彼に胸キュン中





普段の口調じゃなくて、かなり低い声。


男女の前で使い分けてるのか?
女って怖いな。


ってか。



「……好き勝手言ってんな」



独り言のように呟いた。



俺と三枝はなんの関係もないし。
ましてや片瀬はいったい何のつもりだ?



クッキーを返しに行ってから、毎日毎日
しつこく俺のとこに来るようになった。


勝手に彼女気取りか?



……ふざけんな。




「それにしてもうざいよね、三枝さん」



何か言う気にはもちろんなれず、
通り過ぎようとした俺に聞こえた言葉。



――うざい?