それを表現するには嫌悪という言葉は適していない。 言うならば、嫉妬。 あるいはねじ曲がった羨望であるかもしれない。 母の心にはいつも父が居たから。 母には息子である僕がこうして存在するのに、父はいとも簡単に母の心を連れていってしまった。 父はなかなか母の心を解放してはくれない。 もう十分だろう? そろそろ心を返してあげてよ。 僕に、会わせてよ。