頬に触れる柔らかい風に、微かな草の匂いを感じる。 春なんだな、そんな実感がじわりと沸き上がる。 そう言えばまた一つ学年が上がって、小学校も最後の年になった。 小学生というのは一般的にはまだまだ子供だって思われてる。 例えば僕の周りの、ちょっと頭の良い猿みたいな奴らのように。 『ちょっと頭の良い猿』ってのは言い過ぎかな。 猿に失礼だ。 とにかく、僕はそんな周りの奴らと同じくくりにされるのは凄く嫌なんだ。