そう、いつもなら華羅お姉ちゃんも一緒に登校しているはずなのに、今日はいない。


学校に行かないといけないって言って、あたしが起きた頃に家を出た。


「何でだろう。
あたしも起きたてで何でとか聞いてる時間なかったから。」


もしかして、朝の学校でデートかな。


そんな考えが頭を過った。


生徒会って忙しいから休日が潰れる事だって多いし、仕事だって誰と組んでやるかはその時次第だ。


もし、もし付き合ってるならだよ?


生徒会でも授業でもない時間…朝に会ってるって可能性だってありだよね。


「まあ…華羅姉だって色々あるよな。
俺達もだけど生徒会役員なわけだしよ。」


「そうだよね。」


そう、生徒会役員だから…


だからあたしは弥先輩達みたいな凄い人に出会えて…


あたしの思考は違う方向に向かってゆく。


分かっているけど、止める事は出来なかった。


「なんかさ…」


「ん?」


「生徒会って、色々あるのかな。」


「まあな。
他の生徒とはやっぱり違うんじゃね?」


「そっか。」


そうだよね。


無理矢理に納得して、あたしは光唆の顔を見た。


「…何だよ。」


「別に。」


無愛想にそう言うと、学校に着いた。


「じゃあまた、生徒会でね。」


「おう。
また後でな。」


こうしてあたしの一日がまた始まった。