「初めて生徒会に携わる子だと、テストと生徒会に追われて体調不良で休んだり、早退したり。
小百合先輩も一年生の時は熱を出したって言ってた。」
「そうだったんですか。弥先輩は大丈夫だったんですか?」
「僕はなんとか。
去年風邪を引いた人は今3年生なんだけど、役員じゃないんだ。
勇也はあの通り元気が取り柄で、咳1つしない。」
確かに、勇也先輩って風邪とか無縁そう。
「先輩達が無事だったなら良かったです。」
そう言うと、弥先輩がすっと目を細めた。
「嬉しいけど、今は自分の心配をしなさい。」
「…はい。」
そうだ、あたし倒れたんだ。
自分の心配しなきゃいけな…
そこであたしは思い出した。
さっきから気になっている事を。
「あの、幾つか伺いたい事があるんですが…」
「どうしたの?」
「こちらのお部屋は誰のお部屋なんですか?」
「ああ、ここ。
従妹の部屋だよ。」
「従妹?
ここ、弥先輩のお家ですよね?
一緒に住んでらっしゃるんですか?」
これだけ広い家だったら、一緒に住むのも可能だろうけど。
「そう。
っていっても、その従妹は今海外にいるから、この部屋は空き部屋状態。」
「なんか凄いですね!
親戚と一緒に住んでるなんて!」
あたしがそう言うと、弥先輩の表情が一瞬だけ曇った。
あたしは変な事を言ってしまったのかと不安になった。
「弥先輩?」



