生徒会の恋愛事情



それから程なくしてパーティーは終わった。


会場から少しずつ人がいなくなるのを、あたしは華羅お姉ちゃんと一緒に端で見ていた。


テーブルと飾りだけの会場は、きらびやかなのに何処か寂しげだった。


解きたくても解けない魔法にかかったようだ。


「沙羅!華羅!」


そんな会場に、弥先輩の声がよく響く。


今まで探せなかったのが不思議なぐらいだ。


「弥先輩!
あれ?」


「絵恋ちゃんと聖也先輩…」


華羅お姉ちゃんが、弥先輩の後ろから駆け寄ってくる人々の名前を呼ぶ。


「絵恋一緒に二人を探していたんですよ。
途中から聖也さんにも協力してもらいました。」


パーティーの後だからか、弥先輩は少し疲れているように見える。


「沙羅さん!華羅さん!
二人だけにしてしまってごめんなさい。」


「大丈夫だよ。
結構楽しかったし。
ねえ、沙羅?」


「うん。
正しい楽しみ方だったか分からないけど、あたし達なりに楽しんだよ。」


「それは何よりだ。」


聖也先輩が一番最後に到着する。


全員揃うと、なんか不思議な感じだった。


大人の世界だと思っていたパーティー会場だけど、今は5人の子供しかいない。