この一言で、今年の生徒会は幕を閉じた。
今年もこれで本当に終わりだ。
正式な長期休暇が与えられた今、宿題以外に何したらいいのかとても迷う。
「弥君!沙羅ちゃん!
ちょっといいかな?」
香里奈先輩が弥先輩を手招きする。
首を傾げる弥先輩の横に立つ。
「あのさ、2人はこの後急いで帰らないといけないとかある?」
「僕は今日は大丈夫です。」
「あたしも平気です。」
そう言うと、香里奈先輩はニコニコと笑い始める。
「本当に!?
それだったら、悪いんだけど、今日の見回り代わってくれない?
勇也達ほどじゃないけど、あたしも急いで帰らないといけなくって。
ダメかな?」
「僕は構いませんけど、今日は光唆君と香里奈ですよね?
それなら、僕が香里奈と変われば…」
「ダメ!
1人だけ交代したら、次に調整する時に面倒だから!
それに弥君が今日代わってくれたら、次が沙羅ちゃんとあたしでしょ?
女の子2人だともしもの時に危ないし…」
「それだったら、あたしが香里奈先輩と交代します。
全然急いでないですし。」
「え?
あ、確かにそうだけど…それで悪いんじゃないけど…」
香里奈先輩があたし達の背中の向こうを見ていた気がした。
気のせいかな?
「弥先輩!
俺も急用ってわけじゃないんですけど、本音言うと今日は早く帰りたいんです!
香里奈先輩も用事あるみたいですし、今日は2人に代わってもらえるとスゲー助かります!!」
慌てるように早口の光唆、そんなに早く帰りたいのかな?



