「沙羅ちゃんは、現状を変えられる力を持っている子。
困難にぶつかっても、解決の緒を導く事ができる。
凝り固まった世界で生きてきた僕達にはなかなか出来ない事だよ。」


「そんな、大袈裟です。」


「大袈裟じゃない。
現に僕達は沙羅ちゃんのおかげで前に進めたんだから。」


…やっぱり大袈裟に聞こえてしまう。


それでも、弥先輩に言ってもらえると嬉しい。


照れくさいけど、この褒め言葉、きちんと受け止めなきゃ。


「そんな感じで、僕達みたいな奴らだけじゃ生徒会は成り立たないんだ。
だから沙羅ちゃんたちは補欠なんかじゃないんだよ。
で、話を元に戻すと、こんな生徒会にいる沙羅ちゃんはある意味注目されてる。
それで、これも僕のせいだけど、沙羅ちゃんは僕の彼女だから…」


「…そうですよね。」


あたしは弥先輩の彼女であり、神崎家の御曹司とお付き合いしている。


いくら他人には内緒にして…って、絵恋さんにはばれたけど、それでもできるだけ隠しているのは、厄介だから。


「ごめんね、告白した時にきちんと話さしておけば良かった。」


「今ちゃんと話せたからセーフですよ。
あたしの方こそ、一人で行動してごめんなさい。」


下手に動いたら、弥先輩に迷惑かけてしまう。


弥先輩だけじゃなくて、弥先輩の家やあたしの家族にも迷惑をかけてしまう。


そういう事なんだ、弥先輩の彼女になるって事は。


だから軽率な行動を取ってはいけないんだ。


「弥先輩…あたしが悪かったです。
ごめんなさい。
もう、軽はずみな事はしないって約束します。
だから…これからもよろしくお願いします。」