「ごめんね、文化祭も終わったのに昼に来てもらって。」
「いえ…」
生徒会室に行くと、弥先輩以外は誰も来てませんでした。
「えっと…今まで休んでてすいませんせした。
今日からはちゃんと生徒会に戻ります。」
「いや。
僕の方こそすいません。
休むように言ったのは僕ですし、それに…事情を話さなくてすいませんでした。
余計に迷惑をかけてしまって。」
「それなら大丈夫です!
光唆から聞いたかもしれませんが、菖蒲ちゃんも手伝ってくれて、なんとかなりました。
それに、その…あたしが躓いたせいで…皆さんにご迷惑をおかけして、本当にすいません。」
…なんかお互い謝ってばっかり。
そう思った時だった。
「沙羅ちゃんは悪くないよ。
僕のフォローが悪かったせいで、こんな騒ぎになったんだから。」
その言葉で、あたしはまた思い出す。
あの日のこと、あの瞬間のこと…思い出すだけで、顔に熱が集中してしまう。
「…弥先輩、その、その事なんですけど…」
皆には事故とか散々言ったし、実際はキスしてないって言ったけど…
少し、ほんの少しだけど、触れてしまったよね?
あたしの勘違いじゃによね?
その事を確かめたかった。
いや、事実がどうこうで何かが変わるわけじゃないけど…
「…言い訳なんて見苦しいのは分かってる。
でも…あれ以上沙羅ちゃんに無理して舞台を続けさせたくなかったんだ。
だから…あんな終わり方にしようと思って…それで…触れてしまったのも、わざとじゃないんだ。
本当に、これはその…取返しのつかない事をしてしまったんだけど…申し訳ない。
気持ち悪かったよね?」
「気持ち悪いなんて、そんな!」



