「にしても、文化祭の前ってこんなに忙しいんですか?
俺、生徒会がキツいのは覚悟してたつもりなんですけど、バテそうです!」


光唆から漏れた声が、生徒会室を沈黙へと導いた。


あれ?実は今ってまだ楽だったりするの?


あたしも光唆と同じ意見なんだけど…


「そうね…毎年のピークがこんな感じかな?
少なくとも、これが去年と一昨日はそんな感じだったわ。」


小百合先輩が、諦めたように笑っていた。


「でも、今年のピークはまだだ。」


聖也先輩の言葉が、あたしの、否、皆の胸に刺さった。


「一番忙しいのは、文化祭の5日前から本番だ。
確かに、今の時期が楽とは思えない。
だが、まだ10日以上あるという事は肝に銘じておけ。
ピークはだいたい一週間後だ。」


それは辛い。


華羅お姉ちゃんがバリバリ働いてこの忙しさなんだよね?


「まあ、今の華羅ぐらい働くのがピークだと思え。
来週は全員華羅並みに動く事になる。」


「それって、弁当10分で食べるって事!?」


香里奈先輩まで悲壮感が漂い始めた。