何が、どこか抜けてるお母さんに、こんな笑顔をさせるんだろう。



この笑顔を見るたびに、ふっとそう思う。







そしてなんとなく、私はこういう考えに行き着くんだ。





お母さんはもしかしたら、

まだ、お父さんに未練があるんじゃないか・・・って。









ありえない、と一蹴することはできない。



だって、私はお父さんを知らない。


お母さんがお父さんを、どう思ってたのかも、知らない。





知らない私は、肯定も否定もできない。








「・・・お母さん?

トリップしちゃってます?」


遠慮がちにお母さんを見る三木先輩。





お母さんはどこか遠い目をしていた。




思わず漏れる、ため息。







「三木先輩、気にしないでいいです。

おそらく、トリップの真っ只中でしょうから。」



「なら、いっか。

でも、羽依?」


「・・・・・・はい?」




ニコッと有無を言わせぬ笑顔の、三木先輩。



なんか、感じた。

威圧感みたいなの。