そして、静かに口を開いた。




「・・・・・好きよ。未練、たらったら。

悪い?」



真っ直ぐな瞳は、挑戦的に光った。


つんと、強気に顎を突き出すお母さん。








――お父さんとは、正反対の言い方で。


でも、まったく同じことを言うなんて。






「あぁ、もう。」


漏れた言葉は、そんなもの。




お母さんは、そんな私を怪訝そうに見つめた。



「羽依、なんなのよ、本当に。

いきなりそんなこと聞いて。

しかも、なんか苛立った反応だし。」




私はお母さんを睨みつけた。



「苛立ちもするよ!

この、不器用両親めっ!!!」


「は?」




ハテナマークを浮かべたお母さんに、私はまくしたてた。






「今日、お父さんに会ったんだよ!

そしたら、お父さんの気持ちも分かったの!!!」


「ちょっ・・・会ったですって!?

というか、斎の気持ちって何よ!」


「お父さんの気持ちは、自分で確かめろ!

場所、言うから、今すぐ行け!!!」









――私は場所を伝え、

強制的にお母さんを家から追い出した。