私の心(バージン)争奪戦において、みなさ…
もうあんな狼共、奴らでいいや。

奴らが決めたルールは3つ。



その一、 
 私のバージンを最初に奪った者の勝ち

その二、
 みんな共通の場(リビング、キッチンなど)
でのお互いの邪魔は可能だが、それぞれの部屋に私を連れ込んだ場合は邪魔は禁止。

その三、
 期限は私の両親が帰ってくる約一年間。







……つまり、部屋に連れ込まれたらほぼ
ジ・エンドってわけね。


奴らのお母さんはいないらしく、お父さんも海外出張の最中で、ほとんど帰ってこないそうだ。

私は一年間、この狼共と危険な同居をしなければいけない。


……………不安すぎる。








フカフカなベットは予想以上に気持ち良かった。

白いカーテンの隙間から光が差し込んでいるから、もう朝なんだろうけど……


私は枕に顔をうずめる。
布団から出たくない。

日曜日だし、もうちょっとゆっくりしててもいいよね。


瞼が下がり、再び夢の中へトリップしようとした時だ。



コンコン



私の安眠を妨害するように、ドアをノックする音が部屋に響いた。

「そろそろ起きて。ご飯だよ」

ドア越しに聞こえる透き通った声はおそらく結哉くんだ

わざわざ私を起こしに来てくれたんだろうけど……。


「……………」

あえて無視。
寝たふりを決め込む。

この至福の時間は誰にも邪魔させないぞ!