「あー、もー、真奈、紗葉ちゃん離しなさい。」
恵ちゃんが真奈ちゃんを引き離す。
「さて、明日の文化祭のことなんだけど、紗葉ちゃんお医者さんなんて言ってた??」
「ああ、うん、大丈夫だって。」
みんな今までバラバラに立っていたけれど、一気にベッドの周りに集まる。
「ねぇ、誰かベット座ってよ。椅子一個足りない。」
不満そうに言う奏多くん。
「え、じゃあ誠?それとも紗葉ちゃん?それか私?」
「まず、真奈って選択肢は潰すとして、誠か紗葉ちゃんだよね。」
真奈ちゃんが目を輝かして言うと、その期待をいとも簡単に奏多くんがねじふせる。
「私は、いいよいいよ。はっきり言ってそんな寝転んでなくてもいいんだし、普段だって思いっきり散歩だって全然していいって言われてるし…」
「そうなの?」
「うん。散歩も何百回してつまんないから普段寝てるだけ。」
「じゃあ、誠?」
真奈ちゃんがきく。
「え、俺もいいよ、紗葉は女の子なんだから紗葉が座ればいいのに。」
「いや、…でも、ここ、私の病室じゃないし…」
「あー、もー!まどろっこしいなぁ!じゃあ私が座るよ!」
痺れをどうやら切らした真奈ちゃん。


