絶望しかない中でも私は必死に“いい子”を演じた。
たとえ、治らなくてもいい子が楽だった。
怒られるわけでもなく、はいって答えて笑うだけでいい子ねってほめられる。
そしたら、みんな必ず『紗葉ちゃんはいい子だから治るよ』って言うの。
そんな言葉これっぽちも信じてなかったけど
それでも、
どこか心の片隅ではその言葉に安心してた。
もしかしたら、本当に治るんじゃないかって思って。
…最近はそんなのじゃ治んないってわかってきて。
治るって信じるのをやめることにした。
どうせ死ぬ。
…裏切られるのはうんざりだ。