…ほら紗葉、幸せそうに笑ってる。






ねえ、紗葉?







今の紗葉は泣いてるかもしれないけど、







未来の紗葉は笑ってるよ。








まだ病院にいるけれどすっごく幸せそうだよ。








ねえ、紗葉。








もう大丈夫だよね?







素敵な友達もできたし、素敵な恋だってしてるよ?








やっぱ、紗葉は笑顔が似合うよ。








『…笑顔の未来は絶対じゃないけど、涙の未来も絶対じゃない。』








どんな明日がくるか、なんてわかんないよ。







絶対幸せな未来ってわけでもないし、







絶対不幸な未来ってこともないでしょう?







だからこそ、生きたいって思えるんだよ。








紗葉、だから笑ってて??







笑顔でいて?







…私ね、紗葉の笑った顔大好きなんだ。







紗葉が幸せそうにしてると嬉しいんだ。






せっかくの人生泣いてるなんてもったいないよ。






もう、紗葉は大丈夫だよ。









『またね、紗葉。今までありがとう。』







お別れは寂しいけど涙が頬を濡らしながらの笑顔で言の葉を紗葉に送った。








私の言葉は届いたかはわかんないけど、








一瞬だけ、紗葉が微笑んでくれた気がしたんだ。











─ fin.