はやく、もっとはやく。
もっともっとはやく走れたら。もっともっと長く紗葉と喋れるのに。
病院の目の前の横断歩道で立ち止まる。
信号は赤。
さっきまで必死に動かしていた足を止めて、
両手に握られてる色紙を見る。
「紗葉、喜んでくれるかなあ…」
想像するだけで口角が上がる。
それから色紙から視線を信号にうつす。
赤色の光が青色に変わった。
それを確認して、一歩足を前に踏み出した途端、
「危ないっっ!!」
誰かの叫び声と共に、
鈍い音と体が壊れるくらい痛い衝撃。
どこにも力が入らなくて衝撃のまま、自分自身が倒れるのがわかった。
周りに人が集まってくるのに私はこれっぽちも動けなくて。
誰かが何かを叫んでるのに何も聞き取れなくて。
痛い。体中が痛い。
周りが赤で染まってく。
痛い、痛い。
苦しい。息ができない。
…一体、何があったの??


