そういって彼が病室をでると廊下から話し声がきこえてきた。
「違う違う、だーかーら!俺の病室に届けてって!紗葉の病室に入っちゃダメー!」
「ふふっ…、なんか面白いんだけど。」
必死で説得してる彼の姿が目に浮かんでなぜか笑いがこみあがってきた。
「おー。じゃあ届けてよ!お・れ・の病室に!」
俺のってとこ強調してるし。
話し声が終わったと思ったら彼が病室に入ってきた。
「どうだった?」
「買ってきてくれるって。俺の病室に届けてって説得するの大変だったんだけど。」
苦笑いをする彼に、また笑いそうになったなんて…言えないけど。
「でも色鉛筆買ってもらうなんていいの?」
「あー、全然いいよいいよ!文化祭の予算?なんて言うんだっけあれ、まぁいいやそっから買うって言ってたから♪」
「へー…」
「……紗葉は?学校…行ってるの?」
「…行ってない。ていうかもともと通ってないんだよね。高校に。」
「そっか…」
「そんなしんみりすることないよ、どうせ通ってても全然行けないし。」
今まで何回もこの重い空気には触れて慣れてきたはずなのに、
彼とこの空気になるとなぜか耐えられない。


