──────
──────────…
「誠くん、じゃあ行きましょうか。」
「あ、はい!」
一通り終わって、帰ろうと立った瞬間、
『また明日、誠。』
そよ風と共に大好きな君の言葉が聞こえたんだ。
“『………、ま、た、明日、…』”
紗葉が最後に残した言葉もまた明日だったな。
それは君が大嫌いな言葉。
“明日が来るって本当にすごく幸せなこと”
…大嫌いだからこそ、大好きだったんだろうな。
…「また明日」って明日また会えるっていうような約束、みたいだね。
きっとこれから先も俺は紗葉のこと忘れない。
紗葉が必死で生きたかった今俺がいるこの時間。
当たり前に思ってたこの時間。
大事にするよ。大切にするよ。
この人生に後悔ないって胸張って言えるくらい全力で生きるから。
…だからさ、紗葉も笑っててよ。