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「本当ごめんね、こんな学校がある時間に電話なんてしちゃって…、ずっとボーッとしてて、なんか今、ハッと思い出しちゃって。」
「そうだったんですか…」
そんな話をしながら、紗葉のお母さんはカバンから少し大きめの漫画家が原稿を入れるような茶色い封筒を取り出して渡してくれた。
「…これを?紗葉が?」
「そうなの。やたら大きくてびっくりしたんだけどね。誠が開けるまで中は絶対見ちゃダメって言われてて私も見てないの。」
封筒を持ってみると、少し触れるたびガサガサと小さく音がする。
紙とか…入ってるのかな?
「…これ、中見ていいですか??」
「いいわよ。全然。私も見たいし。」
紗葉のお母さんに許可を貰って、中を開ける。
封はされてないから、すぐに中に入ってたものを見ることができた。
「…デザイン画?」
5枚の服のデザイン画と、一つだけ小花柄の手紙用の封筒。
5枚それぞれで、服が違って。
そのうちの2枚は女子用の服。
もう2枚は男子用の服。
あとの1枚はスーツだった。
全部右下に「Sayo.」とあるから紗葉が自分でデザインしたやつかな。
そう思ってもう一つの小花柄の封筒を開く。
そこには、綺麗な文字で、「誠へ」と書かれていた。


