「はい、私1番乗りー!!」
「バカ真奈はずるしたじゃんか。」
「はいはい、みんな子供か。」
「そういう恵だって子供じゃん。」
「徹?あんた今何歳?15歳だよね?私、16。OK?」
「い、いえす、いえす。」
ドタバタと言う元気いい足音が聞こえてきた、と思ったら途端真奈ちゃんを先頭に4人がドアを開けて入ってきた。
「誰が1番早く着くかゲームを真奈がし出したの。ごめんね?うるさくて。」
「ううん、でも病院内走ったの?」
「さすがにそれはできないから早歩きってルール。」
…うん、ならいいかな。
走ってたら小崎さんが飛んでくると思うけど。
「あれ、なんでこんなに本がたくさん?」
「わー!!見ちゃダメっ!!」
興味津々で近づいてきた真奈ちゃんに、必死で本ごと下の紙も取って、胸に抱く。
…これだけは絶対見ちゃダメ。特に真奈ちゃんは。
「なんでー?え、なんか私した?ねえ、誠おおおおおおお!!」
「あ、誠、言っちゃだめだからね!」
「えー、何ってことも言っちゃダメなの?」
「ダメ。」
絶対ダメ。
…そしたら意味がなくなっちゃうでしょ。
「うーん、でも俺もどんなのかは見せてもらってないんだよ?」
「でも何かってことは教えてもらったんでしょ?え、ずるい。何それずるい。」
「…そのうち、わかるからっ!それまで待ってて。」
真奈ちゃんにそう言うと渋々頷いてくれた。
…ちゃんと5着完成したら見せるからね。


