「いやいや、恵も人のこと言えないじゃんっ。」
「…真奈、なんか言った?」
「イエ、ナニモ。」
恵ちゃんがティッシュを渡してくれながらそんな会話をしてるから思わず笑ってしまう。
「ありがとうっ…みんな、」
「全然、っ、こちらこそ紗葉ちゃんっ、ありがとう…」
…真奈ちゃん、もうティッシュが濡れてヨレヨレになってるよ。
私も、だけど。
「紗葉ちゃんっ、紗葉ちゃんっ、」
私の名前を呼んでくれるみんなに笑顔を見せる。
「みんな、大好きっ…!!」
「え、何!?照れるっ!私も好きっ!!誠に負けない!!」
「真奈、俺と勝負するの?いいよ?まず定期テストの結果からでいい??」
「ごめんなさいすみませんでした誠様。」
「ぶふっ、真奈弱すぎっ…!!.」
「うっさい!奏多ハゲ!!」
「ハゲてないわ!!」
また始まった言い合いにもはや恒例になってるからか、みんな気にしなくなってる。
今日も2人とも賑やか…、ですね。
徐々に上がってる口元に気づいて、そっと目を細める。
「ねー、紗葉ちゃん、私告白されたー。」
「え、恵、待っ、誰に!!?」
「何で徹そんなに慌ててるの?」
え、徹くんって恵ちゃんのこと…、え?
あちゃーって顔をする奏多くんに新たな事実だってことを確信した。
…なんか、これから楽しみ。
……私にとって、みんながいるだけで明日だって楽しみになるんだよ。


