「…ん、誠、もう起きたの…?」
「…恵、紗葉起きたよ。」
「本当!?」
誠がそういった途端、目を見開いた恵ちゃんと目が合う。
「ごめんっ、多分私、目すごいむくんでる。」
「…、私のせいだよ。」
「違うよ。私が自分でっ、泣いたのっ。…、本当、紗葉ちゃんが無事でよかった。」
「恵ちゃん、ごめんねっ…。」
「謝んないでよ。よかったって言ってるんだから。」
いつもみたいに優しく笑ってくれる恵ちゃんは本当にお姉さんみたい。
「ありがとう、ありがとうね、恵ちゃん…」
「…やめてよっ。これ以上泣いたら私目がむくみすぎて外歩けなくなるじゃんっ。」
そう言うけど少し嬉しそうで、私も少し嬉しくなる。
お互い起きたばっかなのにボロボロ涙を零して。
「恵ちゃん、泣かせちゃったでしょう?不安にさせちゃったでしょう?…だから、ごめんっ。でも、またあるかもしれないっ…。」
「…大丈夫だよっ、私はちゃんとここにいるから。紗葉ちゃんのことちゃんと受け止めるから。」
「……、っ、ありがとう…」
それから次々に真奈ちゃんや奏多くん、徹くんが起きて、
それぞれ1人ずつごめんね、とありがとうって伝えた。
…みんな誠や恵ちゃんと同じように温かく受け入れてくれる。
ほんと、優しすぎるよ、皆…。


