「ここを代入して、…4をxとかけるんだけど…」
「…う、うん…」
「…大丈夫?ちょっと休憩にする?」
「うん!1時間数学とかそろそろ私干からびる!!」
「ふふっ、干からびるって…」
でも、真奈ちゃんの言う通り、もう1時間近く私と恵ちゃんで教えてたからなあ…。
私の考え方の説明でわかんなかったら恵ちゃんの考え方を説明してっていう感じ。
「でも、紗葉ちゃんすごいよ、真奈が理解してるんだもん。」
「恵でも私に説明させるの大変だもんね。」
「真奈はどうしてうちの学校に入れたのか不思議。」
「もっと上を狙えば良かったってことかしら??」
「…一回この前の定期テストの点数見返してこい。」
ううううわああああああって叫びながら崩れる真奈ちゃんにビクッと肩を震わす。
そんなに悪かった…の…?
「あ、紗葉ちゃんが不思議そうにしてるから言うけどね、真奈ね、数学9点だから。」
「はい、キター。恵自分が82点だからってキター。」
「恵ちゃん82点って私よりも全然凄いじゃん…」
「え、全然だよ?誠なんて96とか言ってたよね?」
「ガチで今、誠の脳みそをコピーしたいって思った。」
アホかって頭を下敷きで軽く叩かれてる真奈ちゃんと恵ちゃんを見てまた口元を上げる。
……すごく小さなことなんだけど、こういう時間が幸せ。


