「うーん…ごめん、10番だけわかんないや、」
「そっかぁ…、って、え?ごめん、もう一回言ってくれない?」
「え、10番がわかんない…」
あんぐりと口を開けたままの真奈ちゃんと少し目を見開く恵ちゃんに困惑する。
え、なんで…、そんなに簡単な問題だったのかな…。
「ちょ、はっ!?だって、うちの学校特に理数系に力入れててその理数系の応用がこれなんだよ!?」
「えっ、そうなんだ…」
「それなのに20問中1個しかわかんないって紗葉ちゃん凄いよ!!なにそれ凄いよ!!」
何故か興奮して早口で喋る真奈ちゃんの言葉をゆっくり理解する。
自主学でやってきたことが役に立ったってこと…?
なら、よかったけど…。
「うちの学校結構な進学校だから、余計に凄いわよ、紗葉ちゃん。こんなの解けるの誠くらいだよ?」
「誠はまじでおかしい。理数系の脳みそわかんない。」
「まあ、誠は頭がいいからね〜」
「恵だって頭いいじゃん。」
「私は文系限定だけどね。理数系はまあ人並みに。」
「なにこれ、いじめ?」
真顔でボソッと呟いた真奈ちゃんに私と恵ちゃんで吹き出す。
「2人してひどい…っ、もういい、紗葉ちゃん数学教えてっ!!」
「説明とかしたことないから下手だけど大丈夫?」
全然平気!なんて笑った真奈ちゃんにそっと私も微笑み返した。


