「あ、あのね、お母さん、っ、この前は、ごめんなさい…」
「え、ああ…、いいのよ。全部お母さんのせいだから…」
「違うの…、全部私のせいで、私が悪いの…っ」
「んー、紗葉は何も悪くないわよー?」
そんなことを言って優しく笑うお母さんに、首を振った。
優しいお母さんに甘えてちゃダメなんだ。
「…あと3ヶ月って橘田先生に言われた時、どうしようもなく怖かったの。死ぬのも、自分からみんなが離れていくのも。」
「…離れる?」
「…たった3ヶ月の私なんて愛されないって思った。必要とされてないんじゃいかって。誰もそばにいなくなって、どんどん離れていくんだろうなって。…だったら、自分から愛されなくなればいいって思った。傷つけて自分から離れさせればいいって。」
そう言うと、お母さんは少し悲しそうな目を私に向けた。
…ごめんね、でもこれが本当の本音なの。
「どんなに寂しくてもたった3ヶ月なら我慢できるって。でも、無理だった。そんなことをしてからどんどん死にたいって思うようになっちゃった。そんな自分が嫌だったの。」
「…死にたいって、紗葉…。そんなの聞いてないわ…」
「…、言ってないもの。…自分が嫌でここから逃げたら少しでも何かが変わると思ったの。でも、何も変わらなかった。そんな時ね、誠が言ってくれたんだ、“無理に変わらなくていい”って。私、お母さんと同じように誠たちも傷つけたの…。それなのに、誠は私のそばにいてくれた。」
そっと微笑むと、悲しそうに瞳を揺らしてるお母さんも同じように微笑んでくれた。
「嬉しかった。必要とされてないと思ってたのに。ただ単純に、嬉しかった。自分で勝手に自問自答して落ち込んで相手のせいにして傷つけた自分が馬鹿だったなって。…、お母さん、ごめんね。今日も。この前も。」
「…いいの。紗葉は精一杯考えてたじゃない。不安を1人で抱え込んでたじゃない…。気付いてあげられなくてごめんね。…、ごめん、ね、紗葉…。」
「ちょ、お母さん泣かないでよ…。」
寂しそうに笑いながら涙を拭うお母さんに自然と私も視界がぼやけ始める。


