「…、痛っ。」 しばらく走って病院から離れた頃、ズキン、と心臓が痛んで一回止まる。 ドクドクといつもより強く大きくうつ心臓。 息もあんまり吸えなくて動悸、だと感づく。 でもそんなこと今はかまってられなくて、 再び私は走り出した。 目的地なんてないし、当てもない。 それなのに、ひたすらあの場所から逃げたかったんだ。 あの場所から逃げたら、何かが変わるかもって…、そんなありもしない期待が私の足を動かしたから。