“じゃあ飛び出しちゃえば?”
“自由になりたい、何て願っても自由にはなれないわよ?
…願いを叶えたいなら自分で行動しなくちゃ。自由なんて自分で作るものなのよ?”
そんな悪魔の囁きが脳内で響くほど追い詰められてる私って脆すぎ。
若干、苦笑いをしながら、
右手に握られた携帯をそっと閉じて、立ち上がる。
…こんなとこに閉じ込められたくない。
…あの人達にももう、会いたくないんだ。
…………………、逃げよう。
そう思ったらいつの間にか私の足は病室の外へと動いてった。
薬も、コートも、何も持たずに。
とりあえず無心でここから飛び出したかった。


