「…っ、」
どうしてこんなに苦しい思いしなきゃいけないの?
がんってだけで余命3ヶ月の時点で辛いのにどうして?
…ああ、そういう運命だったから?
「……、消えてよっ…、!、今すぐ、がんなんてっ、消えてよ!」
1人で怒鳴っても返ってくるのは沈黙だけ。
それでもこの苛々をどこかにぶつけたかった。
幸い、前、誠がいた病室には今誰もいないんだから。
「…こんな、人生っ、望んでない…、」
…どんなに努力したら私は生きたい人生を歩めますか?
どんなに幸せを願ったら幸せを貰えますか?
「お願いだから…、っ、がんなんて消えて…っ」
血を送る血管がある自分の手首を睨む。
がんのくせに流れ続ける血さえも憎くて。
その手首を額に当てながら、私は泣き崩れた。


