1人の病室には重い静寂が流れて、 私の嗚咽だけが響いてた。 「…、っ、ありがとう。ごめん、っ、ね。」 恵ちゃん達が出て行ったドアを見つめながら呟く。 涙で声が震えて上手く言えないけれど。 …みんなが大好きだった。 無邪気に笑って優しくしてくれるみんなが。 がんの私を特別扱いせずに、楽しい思い出をたくさん作ってくれた。 そんなみんなが大好きだった。 本当は、誠も、 ずっと… 好きだった。