涙で頬を濡らしながらそういえばみんな黙り込む。
「いっつも、そう…。私の周りには皮肉のように輝いてて素敵な人ばっかり…。…むかつく。どんどん自分が嫌いになる。」
「…………ずっと、紗葉ちゃんは辛かった?私達といて苦しかった?」
「…苦しかったよ、辛かった。」
「っ…、私達は!紗葉ちゃんといれて楽しかったんだよ?…、ねえこれっぽっちも私達といて楽しくなかった?」
「…。」
真奈ちゃんのその問いには答えられなくて唇を噛み締めて俯く。
「……一昨日、紗葉ちゃん楽しかったって、ありがとうって言ってくれたよね?信じてるから。その言葉。」
声を震わせながらもそう伝えてくれる真奈ちゃんはどんな顔をしてる?
顔を上に向けて涙を堪えながら青空を見てる恵ちゃんはどんな言葉を探してる?
怒りが露わになってる奏多くんはこれからどんな行動をとる?
戸惑いが隠せてない徹くんは何から理解してく?
…今だに眉間に皺を寄せて澄んだ目を向けてくる誠は、一体何を考えてる?
「………、楽しかったってどういう感覚か、もう忘れた。」
温かみも人間らしさもない声で言葉を発する私は、
どれくらいこの自分の人生に絶望してる?


