残された1人の病室。
「ごめんね…、お母さん…」
違う。あんなこと言いたかったんじゃない。
こんな体なのも全部私のせい。
それを全部お母さんのせいにしたよね。
傷つけて。泣かせて。
悲しい顔見たくないとか言って、結局私が悲しい顔させてるじゃん。
「最低最悪だ…、私。」
その時、携帯のランプがメール受診を知らせるためにチカチカと光り出す。
そっと手を伸ばし開くと、真奈ちゃんからメールだった。
『紗葉ちゃん、ごめんね。何かこの間紗葉ちゃん遠くに行っちゃうような気がしてメールしちゃった。明日紗葉ちゃんのとこみんなで行こうと思うんだけど…、大丈夫?』
真奈ちゃんの優しさがぎゅっと詰まったメール。
でも、ごめんね。今の私じゃ同情が詰め込まれたメールにしか思えないの。
なんて思いながら返信機能を立ち上げる。
『うん、大丈夫だよ。でも、』
まで打って、手を止める。
…でも、の先どうしよ。
しばらく悩んで作った一文のメールを送信した。
「…なんて、もう私のことなんてみんな嫌いか。」
━ 『うん、大丈夫。でも、きっとみんな私のこと嫌いになるよ。』


