「余計なことしないで。」
「でも…」
すぐについた自分の病室のドアを開けて、中に入ると続けてお母さんも中に入ってくる。
「私の人生くらい私で決めさせて?いつ終わらせるか、決めるのも私なんだから。」
「…っ、馬鹿なこと言わないで!私が紗葉を産んだのよ!?勝手に終わらせるなんて言わないで!紗葉だけの命じゃないのよ!?」
絵に描いたような事を言うお母さんに嘲笑うように笑って見せる。
「じゃあ、誰との命だっていうの?私が、がんで死んだら同時にお母さんもがんで死ぬの?」
「…紗葉っ!」
「そういうのほんっとめんどくさいから。やめて?」
笑っていた顔を一瞬で真顔に戻してベットに座る。
「ていうか、どうせだったらもっと健康な体に産んでよね?感謝する気さえも起きないんですけど。」
「…。」
黙って唇を噛み締めるお母さんに言葉を続ける。


