診察室のような場所をお母さんと一緒に出る。






「…紗葉っ!」



「お母さんも、もう帰ったら?結果は伝えてもらったんだし。」





あの後、結果の詳しいことやこれからの余命。




色々どうでもいいことをお母さんと橘田先生で話していた。





「ねえ、紗葉…抗がん剤治療やってみない?もちろん辛いけど…それでも少し永く生きれるなら…」




「…嫌だ。」






後ろからお母さんの弱々しい声が聞こえるけど、そう返して病室へ歩を進める。





「でっ、でもっ、紗葉!あと3ヶ月しかないなんて…、お母さん嫌なの!ねえ、紗葉?お願いだから!」




「…嫌。あと3ヶ月とか言ってるけど結局奇跡的に長くて5ヶ月延びるだけなんでしょ?」




「そしたら8ヶ月になるじゃない…!ねえ、紗葉?今からでも間に合うわよ。橘田先生のとこに…っ」





橘田先生のいる場所へ走り出しそうだったお母さんを睨む。