「わっ、超キレイー!!」
恵ちゃんが持ってきてくれたライターでロウソクに火を付けると、
みんな次々に花火に火を付けていく。
「紗葉、火付けれた?」
「あ、うん、もう付けるよっ」
そう言って花火を火に近づける。
火が花火にうつったとたん、黄色っぽいような緑っぽい光のようなものが飛び出す。
「紗葉ちゃんー!見てみて、私ピンク。」
「私、何色だろ?…緑?」
何色?って言われたら何色とも言えない色だけど…。
「綺麗だね、でも。」
「…うん。」
真奈ちゃんが夜空を見上げて呟くから、私もつられて上を見る。
さすがに星座までは見えないけど、かすかな星の光は、見えるかなあ…
「あ!ばか!奏多!」
「仕方ないでしょー!?動く徹が悪い!」
「あーあ、花火勿体無いねえ…。」
「恵おばさんくさい。」
「何だって奏多?うん?もっかい言ってみようか?」
黒い笑みを浮かべると、奏多くんがブラック恵降臨!とか言って徹くんの後ろに隠れるから、
真奈ちゃんと顔を合わせて私達まで笑う。
………、時間が止まればいいのに。
心の底からそう思った。


