「紗葉!」
腕を掴まれて、振りほどいて、そんなことを繰り返してた時、
人混みの中から、こっちに走ってくる彼。
「…誠!」
「紗葉、大丈夫?」
「…うん。」
「そっか、 …で、お前らは何なの?」
聞いたことないような低い声で男の子たちを睨み付ける。
「なんだ、男居たのかよ。別に。その姉ちゃんが1人だったから話しかけてただけだし。」
「チッ。男いるとかきいてねえし。つうか興味ねえ。」
「…次行こうぜ。」
誠が来た瞬間、何故かつまんなそうな顔してどっかに行っちゃった男の子たち。
…、一体何しに来たの?
「…紗葉、ごめんね。」
「…え?」
「怖かったでしょ。」
「…少し、だけね。」
…ふと誠が優しく笑うから今頃、安心して。
「…怖かったよ。誠…、いなくて、怖かったよっ。」
急に恐怖と安堵感からの涙が頬を伝う。
いつの間にか、彼の腕に顔を埋めてて。
頭を撫でてくれる彼の手が何よりも安心した。


