「え、ちょ…、真奈ちゃん!?恵ちゃん!?」
「奏多!?ちょ、徹!?」
そう大声で呼んでみても人混みにかき消される。
「………、どうする?」
「…、どうしよ。」
「…とりあえずお店、回ろっか。」
「うん、そうする!」
彼の提案にうん、と頷いて、2人で歩き出す。
「にしても人多いなー。」
「あ、金魚すくいなんてあるんだ…」
「…ほんとだ、なんでもあるね。」
「…うーん、と何が食べていいのかなー…」
彼と喋りながらカバンの中を少し漁ってメモ帳を取り出す。
お祭りに行くって言ったら橘田先生が食べていいものを教えてくれた。
…あ、やっぱわたがしダメか。
「…焼きそば?と、りんご飴。」
何個かある候補の中で2つだけ食べたいものを挙げてみる。
「…紗葉、焼きそばとりんご飴食べたい?」
「うん、食べたい…。」
「じゃあ行こっか!」
そうやってふにゃりと笑う彼に笑い返して、
屋台まで足を進めた。


