「そっか…、ごめん。事情も知らずに軽く言っちゃって…」
なんとなく私の想いを感じたのか申し訳なさそうに彼が謝る。
また可哀想とか嫌味というか文句というか…そんな感じのこと言うんじゃないかって思ってたから彼の反応に少し驚く。
「俺が思ってる以上に…紗葉は辛い思いしてるんだね…」
いきなり彼がそんなことをいうから、焦った。
「…何?急に…。大丈夫?頭打った?昨日と違うこと言ってるけど…」
「ううん、昨日帰ってから考えてみて。紗葉の気持ちになってみたら、辛かった。
死ぬことに常に怯えてて、
いつも笑ってる時も楽しい時もどこか頭の片隅には死って言葉あるんでしょ?
それってものすごく辛いんじゃないかな。
俺、嫌味にきこえるかもしれないけど病気とか風邪とか全然ならないから…
死ぬってことがなかなかピンとこなくて。
明日死ぬんじゃないかって考えたこと一度もないから…
紗葉がどんなに辛いかなんてわかんなかった。
ごめん。」
そういって俯いて謝る彼に、ボソッと呟く。
「…そんなに私の気持ち考えてくれる人久しぶり。」
ほとんどの人は私の気持ちなんかきっと考えたことなくて。
だいたい私の話をきいてみんなが言う言葉は“可哀想”とか“頑張れ”とか。
はっきり言って可哀想とか言われるのは見下されてるようでむかつくし、
頑張れ…なんて一体何を頑張ればいいのっていつも思ってた。
辛いよねなんて…言われたことなかった。
昨日は心なくお構いなしに言ってたくせにそんなこと言われると…調子が狂う。


