「…っ、美由紀が死んだ次の日も、なんか。美由紀が…、死んだのは嘘じゃないかって、認められなかった。
…っ、霊安室、での出来事は夢とか幻で、現実なんかじゃないって信じたくなかった。
…美由紀に、まだ話したいこといっぱいあった!
美由紀に、ヘアメイクだってまたしてもらいたかった!
美由紀と、また…笑い合いたかったよ…。
いきなり、人と人って別れちゃうんだ…
…急すぎるよ、あんな元気な美由紀が。
ずっと笑ってた美由紀がいきなり死んじゃうなんて…
せめて“ありがとう”くらい言いたかったのに…!」
ボロボロ涙が零れる。
「…ちゃんと俺らいるから。
紗葉の傍にちゃんといるから。
いなくならないよ。…大丈夫、ちゃんといるから。
…紗葉は1人なんかじゃないんだよ。」
彼の言葉は不思議。
今まで、心にフィルターをかけて、…相手の言葉が直接心に入らないようにしたのに。
彼の言葉は私のフィルターを通り抜ける。
…直接心に染み込む。
直接心に響く。


