「あれ…西田さんは…?」





「あ、紗葉ちゃん。…西田さん、は、ね…」





「…亡くなったんだ。」






はっきりせずにごにょごにょ言う看護師さんにそう言うと無言で頷かれる。




…これでお隣さんがまたいなくなっちゃったな。







「私も、そろそろかな…」






ぼそっと廊下の窓から見える空に向かって呟いてみると、



看護師さんが慌てた顔をした。





「大丈夫よ!紗葉ちゃんなら大丈夫!きっと元気になるよ!紗葉ちゃんはいい子だもの!」







…その台詞、聞き飽きた。




何回聞いたかな。大丈夫って。





私なら大丈夫って。元気になるって。






「…ありがとう。」




「ううん、全然!ほら、紗葉ちゃん病室に戻ろう?」






その言葉に頷いて病室へと足を動かす。






こんなのも私にとっては当たり前で。





普通の日々なんだ。