「……」




黙りこむ彼に言葉を続ける。






「…私ね、病院も病室も嫌いなの。




お前は死ぬって言われてるようで。





看護師さんだってみんな治るって言ってるけど本当は私は死ぬって思ってるもの。」







「…怖くないの?死ぬこと、怖くないの?」






黙って下を向いていた彼が口を開く。






「…そりゃ怖いけど、よく考えるとそうでもないよね。」





「え…?」






驚いた彼の顔に思わず乾いた笑いがこぼれる。






「どうせみんないつかは終わる。みんないつかは死ぬんだもの。私はそのみんなよりちょっとはやく終わるだけ。



大体人生、長いか短いなんかなんてその人の価値観。







……私は16年も生きれば十分だ。」