「…でも、私の体は悪化していく一方だった。検査したら悪い結果しかでなくて。どんどんどんどん生きれる確率が少なくなって。…怖かった。死ぬの、怖くなった。」
学校があって美由紀がこれない午前の時間は退屈で、色々考えてたら怖くなっちゃったんだよね。
まだはっきりと“死”を意識してたわけではないけどぼんやりと見えてたのが少しクリアに見えたみたいな感じ。
「…ある日、いきなりめまいと動悸がまたきたの。苦しくて、苦しくて。このまま死ぬんじゃないかって思った。…大げさだよね。」
嘲笑うように息を吐き出す私に彼は黙って視線を合わせる。
「…一時的なやつだからすぐに治まったけど、橘田先生には抗がん剤治療を薦められた。髪の毛が抜けるのとか苦しい思いをするのは嫌ってやってなかったんだけどね。」
…抗がん剤治療は今もやってない。
小5の終わりくらいに渋々やって、効果が出なかったから。
あんな苦しいのもうやりたくない。


