あれから、数週間経って。
毎日のように彼や真奈ちゃんたちが病院にきてくれる。
「ねえ紗葉!きいてよ!」
「奏多のばーか!」
「真奈のばーか!」
その時間だけは唯一病気を忘れられる時間で。
いつも、午後が楽しみになった。
「あ、そうだ、紗葉。宮崎瑠奈、覚えてる?」
「うん。」
この前文化祭で会った子だし、印象に残ってる。
「あの子転校してやり直すってさ。さすがにこの学校じゃ気まずいって。でも少しけじめはつけたみたいだよ。いじめのリーダー的存在が謝ってたから。」
「ああ…」
けじめつけるってほんとだったんだ…
「あ、それと紗葉ちゃんにありがとうって伝えといてって言われた。」
そう言って微笑む彼。
「…よかった。」
次の学校でも頑張ってほしいな。
