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“じゃあまたくるね!”



“りょうかーい”






そういって聞こえなくなった声。




嫌いな時間が終わったことに安堵のため息がもれる。







「はあ…、ほんと何なの。」






元気な人はそれなりに見てきたつもり。元気な声も聞いてきたつもり。






でも、ここまで不愉快になるのは…、何で。








…声小さくしてもらうように頼もうかな。







そう思い、廊下に出てみると人の姿はもうなかった。







…そりゃ、帰ってるよね。







ひきかえそうと部屋のドアに手をかけた瞬間、






隣の部屋のドアの名前に目がいった。







『椎名 誠』






…仕方、ないよね。