立ってる4人に
急かすように
「ほら、早く座って飲みましょう?」
と言えば
「そーだな」
と返しながら
カウンター席に
すわる4人
座ったのは、
いいんだけど
いいんだけどね
「なんで隣に座るのよ」
そう
あたしが言いたいのは
座っている席順だ
カウンター席は、
11脚ある
なのに
なんで
あたしを中心として
隣に2人ずつ座るのよ
「どうせ話すなら近い方がいいだろ」
とあたしの右から
声がする
そうなんだけれど
そうなんだけど ね?
涼
一脚くらい
空けて座ってくれればいいのにな
なんて
愚痴を心の中でつぶやく
まぁ
言ったところで
動いてくれるわけないんでしょうけど
「はぁー」
と溜息を、漏らせば
「どうしたの?溜息なんかついて」
隣に座っている疾風が
珍しそうに聞いてくる
「気にしないで疾風。ふふ、それより飲みましょう」

