コンコン
「失礼します」
そう言って部屋に入った途端
視界が真っ暗になって
背中に手をまわされている事に気づく
そして、頭上から
「お帰りなさい、美麗。 」
と懐かしい声が聞こえる
その後すぐに
此処に居るのを確かめてるように
強く強く抱きしめられた
「ただいま、壮太。 」
すると、
抱きしめるのをやめ
「心配した。 連絡ぐらいは、くださいよ 」
と、目をみながら
言われた
心配かけちゃったな
数年前
高校を卒業した私は
この街を離れ
大学に通いながら
仕事をしていた
そして、壮太たちが
それを知ったのは、
街を出て半年以上経った頃ならしい

