ドアのあいた音がして気づいたのか
振り向いている蒼斗
「行くよ、蒼斗」
と声をかければ
本を閉じながら
こちらに歩いてくる
そのまま玄関まで行くと
蒼斗は、靴を履く
2人で靴を履き終えて、
玄関の鍵を閉め駐車場まで歩く
ふと、
あたしの手元を見た蒼斗
「父さんの車で行くの?」
「蒼斗は、どっちがいい?」
すると
蒼斗は、
父さんの車
と即答
最近
乗ってなかったものね
「じゃあ、お父さんの車に乗って行こうか」
バックから彼の車のキーを取り出し
車を開ける
蒼斗は、
何故か後部座席に座ろうとしている
「蒼斗?前乗らないの?」
「だって右京さんが、父さんは
母さんしか前に乗せなかったって」
右京 ……
なに、勘違いさせるような事言ってんのよ
「蒼斗、座っていいのよ。 右京に言われたこと気にしなくていいのよ?」
冗談で行ったんだろうけど
蒼斗が間に受けてるじゃないの

